EtherCAT P – 電源供給と通信の統合
EtherCAT Pはどのような技術なのでしょうか??
EtherCAT P (EtherCAT + Power) はケーブルレベルのEtherCAT技術を拡張したものです。Pは電源供給を意味していて、標準の4線式イーサネットケーブルを使ってデータだけでなく、独立した2系統のオンオフ可能な24V/3A電源を使用できるようにします。この技術によって複数のEtherCATスレーブをカスケード接続する際に相互の接続に必要なケーブルが1本になり、かつI/Oやフィールドデバイスに電源を供給できるようになります。
EtherCAT Pは100% EtherCATと同じ通信です – 拡張しているのは同じケーブルで動作電源を送電できるということだけです。ライセンス費用も無償です。
EtherCAT Pにはどのような長所があり、どのような場合にそれが活かされるのでしょうか?
EtherCAT PはUs (システムとセンサ駆動電源) とUp (アクチュエータ用外部機器電源) の2系統の電源電圧を100Mbit/sのEtherCAT通信線に重畳させています。これによってケーブル本数の削減、省スペース化、低配線コストやその結果として全システムコストの削減をもたらし、さらにデバイスや装置の小型化にも貢献します。
ケーブル本数の削減はエラー発生源の最小化にも寄与します。EtherCAT P専用に設計したM8コネクタは形状を工夫し誤接続を未然に防ぐだけでなく、信頼性のある接続性能を提供します。
EtherCAT Pは1本のケーブルでデータと電源を供給できるシステムです。
SubデバイスにEtherCAT Pを実装するにはどうすればいいですか?
ETGメンバーには必要なドキュメントや情報を提供しています。以下をご参照ください:
仕様
EtherCAT Pの物理層拡張はETG.1000.2Pで規定されており、ETG.1000シリーズとしてダウンロードできます。EtherCAT Pは国際規格IEC 61158-2 (Type 12) の一部でもあります。
Pコーディング付きEtherCAT P専用M8コネクタはIEC 61076-2-114で国際標準化されており、対応するコネクタは複数のメーカから入手可能です。
充実したテスト環境
EtherCATコンフォーマンステストツールや対応するテストケースを含むEtherCAT Pのテスト環境は完全に整備されています。公式EtherCATテストセンターでは、EtherCAT SubデバイスのEtherCAT Pアタッチメントのテストに使用する自動ハードウェアテストインストレーションがあります。
一貫した文書化
電源供給のないEtherCATと同様に、EtherCAT Pは全ての分野で包括的に確立されており、EtherCAT Pや対応するコネクタの公式仕様書が利用できます。さらに、EtherCAT Technology Groupが開発し全メンバーが利用可能なドキュメントはEtherCAT Pの実装、コンフォーマンス、テスト、マーキングのトピックをカバーしています。
関連文書へのリンクは右側のメニューバーにあります。